こんばんは。
税理士の山脇です。
北原亞以子さんの「まんがら茂平次」という本を読みました。
「まんがら」とは、万のことを言っても本当のことは空っぽという
意味だそうで、言うことすべて嘘八百の「まんがら」という渾名の
茂平次が主人公のお話です。
茂平次いわく、嘘でごまかそうと思ったことはなく、喋っている
うちに、それが嘘ではなく事実であるように思えてくるとのこと。
しかし、茂平次は悪意のある嘘はつきません。
どちらかというと、人助けのためにつく嘘が多いのです。
愛嬌のある茂平次に、彼を取り巻く人達も、「まんがら」だと
わかっていながら、つい、話に引き込まれてしまうのです。
舞台は幕末の江戸。
時代の流れに翻弄されながら助け合い、細々と生きる市井にあって、
時に暴走する茂平次のまんがらが、長屋に暮らす人々に智恵と勇気
を与えているのです。
茂平次の明るい嘘に思わず吹き出し、時代ゆえの悲しい別れに
ちょっぴり涙し、人々のつながりに心温まる作品でした。
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