こんばんは。
税理士の山脇です。
スタッフの携帯に、お父上から1本の電話が入りました。
その内容は、不動産取得税に関する問い合わせだったようです。
不動産取得税は、不動産の取得に対して、その不動産の取得者に
1回だけ課税される税金です。
不動産を売買、贈与、交換、建築などによって取得した時に、
不動産取得税という税金がかかってくるのです。
さてさて、お父上からの質問は、不動産の価格についてでした。
自前で建てた倉庫の価格が、実際に要した材料代などより大きい
金額で評価されているのが理解できないというのです。
課されるべき税ならば、その内容を、きっちり理解したいというのは
当然の思いです。
「素人が建てたものだけど、大工さん並みに上手に建てているという
ことじゃないの。」と笑って言っていたスタッフですが、評価方法に
ついて興味もあったのでしょう、早速調べていました。
不動産取得税を算出する場合の不動産の価格は、購入価格や請負価格
などの実際に支出した金額ではなく、市町村の固定資産課税台帳に登録
された価格となり、新築家屋のように固定資産課税台帳に登録されて
いない場合は、県が固定資産評価基準によって決定した価格となります。
知りたいのは、固定資産課税台帳に登録された価格ではなく、登録された
価格の根拠ということで、いろいろ本を引っ張り出して読んではいましたが、
今一つはっきり書かれた参考本が見つからず、手っ取り早く、県税事務所
に電話で確認することに。
県税事務所では、丁寧に対応してくれたものの、価格の話となると市町村
の固定資産課税台帳を基にして算定しているので、市町村に聞いて欲しい
とのこと。
仕方なく市町村に電話しても、市町村側は、評価に間違いはなく、価格が
変更されることはないと話がかみ合いません。
誰も間違っているとは思っていないのに・・・。
所得税や法人税のように、所得(もうけ)にかかる税金ならば理解しやすい
のですが、固定資産税や不動産取得税などのように、賦課課税される税金
は、納税者が理解し、納得して納められるように、課税の根拠を丁寧に、
分かり易く説明すべきでしょうに・・・。
もちろん、縦覧制度というものがあり、市町村に行って、固定資産課税台帳
を見せてもらうことは可能なのです。
・・・が、行くには時間も費用もかかります。
電話による問い合わせもこれ1回にしたい、評価と価格に間違いはない
だろうが、ただ、どんな評価をして、それに見合う価格を出したかを知り、
支出金額との差をお父上に報告して納得させたいだけのスタッフ・・・
かなり下手に?出ていました。(笑)
台帳をFAXかメールでもらえませんかとお願いしても、あえなく却下され、
しょんぼりしていたのですが、今回に限り郵便で送りますとの回答を
引き出していました。
ただ、書いてある内容を見ても、ポイントで評価されているため、素人には
理解できないだろうとも言われたとのこと。
もともと、先輩に当たる不動産鑑定士さんに教えてもらう目論みがあった
からでしょうか、市町村の担当者の方には、感謝の言葉を発して機嫌よく
電話を切っていました。(笑)
しかし、しかし、その後、思わぬ展開となります・・・。
電話を切った直後、市町村の担当者が、直接、お父上宅を訪問された
そうです。
察するに、今回に限り郵送すると伝えてしまったことで、上司に叱られ、
説明を兼ねて訪問したのではないでしょうか。(苦笑)
訪問を受けたお父上はというと、役所から年配の女性と若い男性が来て、
うち年配の女性が一人で、「お嬢さんが!お嬢さんが!」を連発しながら
説明?らしきことを言っていたが理解できなかったとのこと・・・。
説明を受ける側は、言葉を理解できず、また、説明をする市町村の
担当者側は、難しい言葉を並べてしゃべり倒していっただけとは・・・
ここで初めてスタッフも両人に呆れ、憤慨しておりました。(笑)
結局、理解できないまま納税するということになったようですが、まぁ価格に
間違いはないでしょう。(笑)
スタッフとの電話のやり取りの最後にお父上は、この年になっても勉強する
ことが多いと言われたそうです。
まず、自前で建てた倉庫であっても支出した金額以上の価格がつけられ、
固定資産税や不動産取得税が課税されるということ、次に、本日初めて
FAXを自分で送れた(スタッフ宛てに通知書をFAXされたのです。)という
ことで、1日に2つも勉強したとのこと。
思わず吹き出してしまった山脇でした。(笑)
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