こんにちは。
税理士の山脇です。
今朝、ネクタイを締めつつ、小さな驚きがありました。
ついこの間までの猛暑に耐えた日々から一転して、
冷たい秋風に身が縮こむようになったと思っていたら、
早や11月なんだと・・・。
時の流れの速さに思いを馳せつつ、スタンド型の
カレンダーを入れ替えて、家を出てきました。
さてさて、本日は読書のお話です。
久しぶりの感動作品を紹介します。
2008年に時代小説作家としてデビューされた、
高田郁さんの 「銀二貫」、商人をテーマにした作品です。
時は安永7年、徳川10代将軍家治の頃の時代設定で、
寒天の卸しを商いにする大坂の小商人が、取引先からの
帰路、仇討に遭遇し、苦心の末に工面してきた銀二貫で
仇討を買うところから物語は始まります。
寒天卸商の主、和助に拾われた松吉(討たれた武家の子息)
が、侍の子から商人へと成長する中で、幾多の災難に遭い
ながら強く生きる様と、一途な愛を育むストーリーです。
また、タイトルである銀二貫、これは、火災で焼失した天満宮
再建のための寄進のお金でした。
寄進に向けてこつこつ蓄える、まさに商人の血と汗の結晶の
銀二貫、これがキーワードとなり物語にちりばめられており、
展開の豊かさに熱いものが込み上げてきました。
松吉の誠実さ、素直さ、諦めない前向きな気持ちに涙し、
主、和助の、商人の大事は、己に対する信用より暖簾に
対する信用であると説く商人魂や天神さんへの信仰の
深さに感動しました。
ところで、「銀」という貨幣ですが、江戸時代、「大坂の銀、江戸
の金」といわれるように、流通貨幣を異にしていたようです。
銀は重さで計り、「丁銀」「豆板銀」と呼ばれ、金との交換は
相場により行われていたのだとか。
物語の銀二貫は、ざっと金33両なのだそうです。
10月27日から11月9日までは読書週間。
お薦めの一冊です。
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