2010年11月7日日曜日

出世花

こんにちは。
税理士の山脇です。

またまた、高田郁さんの本を読みました。

前回紹介した「銀二貫」の感動冷めやらず・・・・
高田郁作品に、どっぷり嵌ってしまった感があります。

今回の作品は、「出世花」、高田郁さんのデビュー作なのだそうです。

不義密通の大罪を犯した母親。
妻敵討ちを心に決めた父親は、幼い娘 お艶を連れ旅に出ますが、
6年後、行き倒れの末、助けられた青泉寺で無念の死を遂げてしまいます。

この青泉寺は、湯灌場・火葬場・墓所を持つ墓寺でした。

父親の亡骸が洗い清められ、安らかな表情で、浄土へと旅立ったのを
目にしたお艶は、その後、「お縁」、そして「正縁」と名を改め、青泉寺で
湯灌人、三昧聖として働くことになります。

俗な世間を知らないゆえに、出会う人々の表情や言葉、あるいは、花や鳥
など触れ合う自然から、人間としての知・徳を得、自らの生きる道を探り、
かよわくも着実に、真っすぐに歩んでいく姿には感動しました。

この、出世花は、もともとは一作だけで完結した物語だったそうですが、
文庫本「出世花」には、出世花シリーズ?として、他に3篇が収録されて
います。

どの作品も、涙、涙の感動ものでしたが、暗い感じは無く、読み終えた後に
なぜか清々しいものが残るものでした。

是非、お手にしていただきたい作品です。

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